入会変更届 |
会長挨拶
会長就任のごあいさつ
会長 天野洋一
本年4月21日に開催されました第78回通常総会におきまして,古田前会長の後任として耐火物技術協会会長を拝命致しました天野 洋一です。
耐火物技術協会会長としての役割を担うことの重要性を深く認識し,責任の重さをひしひしと感じています。これまでの先輩方の努力の上に築かれたこの組織を,さらに発展させるために全力を尽くす所存ですので,会員の皆様のご指導ご鞭撻を賜りたく宜しくお願い申し上げます。
さて,当協会の役割について少し触れたいと思います。
当協会は,昭和21年に耐火煉瓦技術会として創立以来,国内の高温産業の発展に寄与することを目的に,より高耐用な耐火物の開発・改良,耐火物製造・施工技術の革新,および耐火物に関する基礎的学術研究の進歩・普及に努めてきました。また,当協会は個人が正会員で構成された団体で,耐火物製造側だけでなく耐火物使用側の技術者やアカデミアの方々が正会員として協会の運営に関わっています。これは,当協会の直接の前身となった耐火煉瓦技術会が,戦後の復興期に耐火物製造側と使用側とが協働で切迫した課題へ対応したことに由来します。この特長は海外の学協会にはない日本の耐火物産業の強みと言えます。
また,令和の時代においては,コロナや2024年問題,不安定な国際政治状況等により鉄鋼・セメント等の国内需要の低迷が続いている中で,持続可能な社会の実現に向けた当協会の役割が益々重要になってきました。つまり,会員の皆様が,特にカーボンニュートラルの実現に向けた活躍の場として,耐火物技術協会は重要な役割を担っていると考えています。
このように当協会の将来に向けた主な活動として,若手技術者の育成を中心に活躍の場を広げています。2022年度から始めた耐火物研究助成金制度や今年度は日本セラミックス協会の秋季シンポジウム(群馬大学)への参加を計画しています。また,従来から開催している年次学術講演会・研究会の開催も若手の研究者の参加人数も増加傾向にあり,今後も活性化に向けた仕掛けをしていこうと思います。その一環として,昨年度は学生を対象とした耐火物業界説明パンフレットの作成や,今年度はホームページの刷新によりアクセス数を増やしていき,耐火物業界のプレゼンスを高めていく活動も積極的に進めています。
もうひとつの重要な活動として,2027年11月に大阪で開催するUNITECR2027があります。UNITECR(耐火物統一国際会議)は,当協会主催で開催した耐火物国際会議(1983年,1987年開催)が前身であり,1987年に当協会が発議して正式発足し,1989年第1回UNITECRが米国で開催され,2027大阪が第20回節目の開催となります。世界40か国以上から,約800~1,000人の技術者が一堂に会する場であり,耐火物の万国博覧会といっても過言ではないと思います。耐火物の未来に向けた様々な研究発表の場であり,世界中の技術者たちの交流の場になるようにしっかりと準備を進めています。
UNITECR2027のテーマは,”Refractories Solutions, Live in Harmony with Nature” です。「自然との調和・共生」は日本の文化そのものであり,まさに,これからの耐火物の在り方を表現した素晴らしいテーマです。
大阪でのUNITECR2027を成功させ,日本から耐火物技術を世界に発信する機会とするためには,会員の皆様の絶大なご協力が欠かせませんので,どうぞよろしくお願い致します。
最後に,環境問題や持続可能な開発目標(SDGs)に対する意識も高まっている中で,耐火物業界としての責任を果たすべく,会員の皆様と共に力を合わせ,耐火物技術の更なる発展を目指して邁進していくことと合わせて,明るい耐火物技術協会を発信して参りますので,引き続きご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。